

ABCクッキングスタジオは、世界食糧計画(WFP)と日本国内初の「広報パートナーシップ契約」を締結しています。今回は日本の家庭にもつながる、ジンバブエのごま栽培についてお伝えします。
希望を育てる一粒のごまの種
プログラムのおかげで収益を得られるようになったと話す、カスティナ・シバンダさん。
いつもの食卓に欠かせない香ばしいごま油。実はその原料のごまを、遠く離れたアフリカのジンバブエの小規模農家が栽培していることをご存じですか?WFPは、関係機関と連携して日本に輸出するためのごまの生産をサポートしています。
ジンバブエ南部のムウェネジ地区。きっかけは、たった一粒のごまの種でした。地元農家のカスティナ・シバンダさんは「ずっとトウモロコシが不作で、生活が困窮していました」。と語ります。しかし、ごまは干ばつに強く海外からの需要も高いことから、ジンバブエの農家にとって大事な作物となりました。
シバンダさんの住む地域はWFPと日本政府、現地NGOによるプロジェクトが行われています。WFPは単なる支援ではなく、貿易を促進する目的で小規模農家を市場とつないで、持続可能な生計を築く機会を提供しているのです。
ジンバブエ南部ムウェネジ地区に設置されたゴマ加工施設。
プログラムのおかげで収益を得られるようになったと話す、カスティナ・シバンダさん。
ジンバブエ南部ムウェネジ地区に設置されたゴマ加工施設。
1万4,000世帯以上への支援を目指す
作業員が袋を丁寧に計量します。かつては不当に買い叩かれることもありました。
プロジェクトは2023年後半に始まり改良種子と研修を約3000世帯に提供しました。さらに、2026年までに1万4,000世帯以上への支援を目指しています。干ばつが繰り返し襲うジンバブエで、この取り組みは農家の暮らしを大きく変えつつあります。昨年、数十年ぶりに深刻な干ばつに見舞われた際も、ごま農家は何かしらを売って生計を維持することができました。
収穫したごまは陸路で南アフリカのダーバン港まで運び、水分量や残留物など厳しく管理しながら、インド洋を越えて日本へと渡ります。到着したのちに洗浄・選別を行い、じっくり焙煎されてごま油となり、食卓に並びます。現地の農家さんたちは、自分たちの作物が国際的に認められていることを誇りに思っているそうです。
世界食糧計画(WFP)とは?

飢餓のない世界を目指して活動する国連の食料支援機関。緊急時には命を救う食料を届ける共に、紛争や災害などのショックから立ち直り、豊かで持続可能な未来を築くための支援を実施しています。世界の120以上の国や地域で、年間1億5000万人以上を支援。2020年にノーベル平和賞を受賞。
世界食糧計画(WFP)特集
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WFPニュースレター
Vol.73 :
紛争、洪水、相次ぐ地震、そして過酷な冬/危機に見舞われる人びとへ、今日を生きるための食料を
Vol.72 :
特集:国連WFP親善大使の杏さん チュニジアを訪問 ― 学校給食支援、女性主導の農業開発団体の現場を視察 ―
Vol.71 :
特集・実を結び始めた国連WFPの自立支援 ― アフリカ サヘル地域の緑化、戦火のウクライナ・地震被災のシリアでの自立支援



