ABCクッキングスタジオは、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)と日本国内初の「広報パートナーシップ契約」を締結しています。今回は、世界環境デーと環境に優しいクリーンな調理方法「クリーンクッキング」の普及の取り組みについて紹介します。
6月5日は世界環境デー
毎年6月5日は世界環境デーです。環境保全に対する人びとの関心を高めて行動を促すための日として、世界各地でイベントが開催されています。日本では環境基本法(平成5年施行)により、この日を「環境の日」と定めました。
飢餓を改善するには、食料の生産や運搬だけではなく、調理のための燃料やエネルギーが必要です。
国連WFPは、環境理解促進の一環として木炭や薪を使用しない「クリーンクッキング」を推進しています。
クリーンクッキングとは?
国連WFPが活動する国では多くの人びとが木炭や薪、簡易コンロで調理をしています。世界保健機関(WHO)の推計によるとその数は世界で26億人といわれています。薪集めや薪を使った調理には時間がかかり、重労働で、危険もあります。特に女性や女の子がその役目を担うことが多く、女性の社会進出や女の子の学校出席率にも影響しています。また、アフリカの森林減少の約半分は、木材や薪のための樹木の伐採によるものであり、気候危機を助長させています。国連WFPは液化石油ガス(LPガス)や太陽光調理器を配給し、環境に優しい「クリーンクッキング」を進めています。
国連WFPの支援
国連WFPは、チャド東部の難民キャンプで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力して、LPガスを燃料とするガスコンロを配り、使い方を教えています。LPガス配布後は燃料の家計負担が減り、薪集めや調理の時間も短縮されたという結果が出ています。薪集めや調理の時間の短縮によって、女性は仕事に出ることもできるようになります。
国連世界食糧計画(国連WFP)とは?
飢餓と貧困をなくすことを使命に活動する国連唯一の食料支援機関。設立以降、世界の飢きん対応の最前線に立ち、緊急的な食料支援や自立支援を行い、何百万人もの命を救う活動をしてきました。飢餓との闘いへの功績等の活動において、2020年にノーベル平和賞を受賞しました。
国連世界食糧計画(国連WFP)特集
バックナンバー
国連WFPニュースレター
Vol.73 :
紛争、洪水、相次ぐ地震、そして過酷な冬/危機に見舞われる人びとへ、今日を生きるための食料を
Vol.72 :
特集:国連WFP親善大使の杏さん チュニジアを訪問 ― 学校給食支援、女性主導の農業開発団体の現場を視察 ―
Vol.71 :
特集・実を結び始めた国連WFPの自立支援 ― アフリカ サヘル地域の緑化、戦火のウクライナ・地震被災のシリアでの自立支援