ABCクッキングスタジオは、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)と日本国内初の「広報パートナーシップ契約」を締結しています。今回は平和と飢餓について考えていきます。
飢餓と平和の関係
世界では10人に1人、8億2800万人※が飢餓に苦しんでいます。その大きな原因となっているのが紛争です。戦闘の影響で、住んでいた家や仕事を失ってしまうと食べ物が入手しづらくなるだけではなく、人道支援機関が食料を届けることも困難になってしまいます。紛争下において食料補給路となる港や空港が攻撃されると、食料の供給が遮断され、飢餓に陥る人々が増加します。平和がなければ世界の飢餓を終わらせることはできません。
※出典元:SOFI2022
スーダンとウクライナ:紛争で深刻化する飢餓
スーダンで勃発した戦闘により、150万人以上が国内避難民に、数十万人が国外に安全を求めて移動しました。スーダンでは戦闘勃発前から人口の3分の1が十分な食料を得られていませんでしたが、この戦闘によって食料価格が上昇し、今後さらに250万人近くが飢餓に陥る可能性があります。国連WFPはスーダン国内および多くの人が避難している周辺国で、緊急食料支援と栄養支援を続けています。また、ウクライナでの戦争は世界の食料・燃料・肥料価格の高騰を引き起こし、世界の食料危機を悪化させました。ウクライナ国内では、食料価格が戦争前と比較して33%も上昇し、現在3世帯に1世帯が食料不安に陥っています。国連WFPはウクライナ国内で毎月300万人に食料支援を行い、これまでに提供した食事は17億食にも上ります。
平和を築く国連WFPの食料支援
2020年10月、国連WFPは「飢餓との闘いに尽力してきたこと、紛争地域で平和に向けた状況改善に貢献し、飢餓が戦争や紛争の武器として利用されることを阻止する原動力になったこと」が評価され、ノーベル平和賞を受賞しました。国連WFPの食料支援活動は、紛争に巻き込まれた人びとの生命線になるとともに、不安と緊張を和らげて希望を与える平和への第一歩です。
WFPチャリティーエッセイコンテスト2023
―あなたのエッセイが途上国の給食に―
「未来につなぐ、思い出ごはん」をテーマに、ごはんの思い出や食にまつわる気持ちなど、
未来につなげたい心に残る話を教えてください。
応募1作品につき給食2日分(60円)が、国連WFPに寄付され、途上国の学校給食支援に役立てられます。
応募要項
テーマ | 「未来につなぐ、思い出ごはん」 |
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募集期間 | 2023年7月1日(土)~9月4日(月)【締切日必着】 |
部門 | (1)小学生部門(4・5・6年生) (2)中学生・高校生部門 (3)18歳以上部門 |
応募方法 | 郵送・オンライン |
国連WFP(国連世界食糧計画)とは?
飢餓と貧困をなくすことを使命に活動する国連唯一の食料支援機関。設立以降、世界の飢きん対応の最前線に立ち、緊急的な食料支援や自立支援を行い、何百万人もの命を救う活動をしてきました。飢餓との闘いへの功績等の活動において、2020年にノーベル平和賞を受賞しました。
国連世界食糧計画(国連WFP)特集
バックナンバー
国連WFPニュースレター
Vol.73 :
紛争、洪水、相次ぐ地震、そして過酷な冬/危機に見舞われる人びとへ、今日を生きるための食料を
Vol.72 :
特集:国連WFP親善大使の杏さん チュニジアを訪問 ― 学校給食支援、女性主導の農業開発団体の現場を視察 ―
Vol.71 :
特集・実を結び始めた国連WFPの自立支援 ― アフリカ サヘル地域の緑化、戦火のウクライナ・地震被災のシリアでの自立支援