食料不足で苦しむ地域を支えるプロジェクト
中央アフリカ共和国北西部は、かつて豊かな農業地帯でしたが、3度の内戦で荒れ果ててしまいました。この影響で住民の約40%が、食料を得るために生活必需品を手放さざるを得ない状況に追い込まれています。十分な食事が家族全員に行き渡らず、特に2歳未満の幼児700人以上と約300人の妊産婦が栄養不足に陥っているのが現状です。
住民の自立を目指すWFPの取り組み
WFP国連世界食糧計画は、住民が自立して暮らせることを目的としたプログラムを運営しています。プログラムでは住民たちが約35ヘクタールの敷地で、米やトウモロコシ、オクラ、キュウリ、トマト、パセリといった作物を育てています。こうして収穫された野菜は、家庭での食事に使われるほか、地域の小学校の給食でも使われています。
地元のボランティアの女性たちが届ける温かい食事
WFPは地元の女性15人を「mamans lumières」(ママン・リュミエール/ “輝くお母さん” )と名付けたボランティアに任命しました。彼女たちは子どもや妊産婦の栄養改善を目指し、学校給食の献立作りや調理を担当しています。この女性たちは、地域の子どもたちのためにプライドをもって学校給食を作っています。この日のメニューは、米と黄色い豆の煮込み。これが1日の唯一の食事になる子どもも多く、温かくて栄養たっぷりの食事を夢中で食べる姿が印象的です。
国連世界食糧計画(国連WFP)とは?
飢餓のない世界を目指して活動する国連の食料支援機関。緊急時には命を救う食料を届ける共に、紛争や災害などのショックから立ち直り、豊かで持続可能な未来を築くための支援を実施しています。世界の120以上の国や地域で、年間1億5000万人以上を支援。2020年にノーベル平和賞を受賞。
国連世界食糧計画(国連WFP)特集
バックナンバー
国連WFPニュースレター
Vol.73 :
紛争、洪水、相次ぐ地震、そして過酷な冬/危機に見舞われる人びとへ、今日を生きるための食料を
Vol.72 :
特集:国連WFP親善大使の杏さん チュニジアを訪問 ― 学校給食支援、女性主導の農業開発団体の現場を視察 ―
Vol.71 :
特集・実を結び始めた国連WFPの自立支援 ― アフリカ サヘル地域の緑化、戦火のウクライナ・地震被災のシリアでの自立支援