Eat Local ~地産地消~

まわりを海に囲まれ南北に長い日本は、自然環境に恵まれ、日本各地においしいものがたくさん実ります。
そしてそれらは知恵を使って“料理”となり、四季の移ろいとともに味わい、長い月日をかけて日本独自の食文化をつくってきました。
まだまだ、あなたの知らない日本のおいしさがきっとあるはずです。“地産地消”というその言葉どおり、地域に根差すおいしさは、やはりその地で味わうのが一番。ABCと一緒に、日本のおいしさを再発見する旅に出ませんか?

 Pick Up Area 石川・金沢

金沢は南北に長く伸びる石川県のほぼ真ん中に位置します。東部の山脈から流れる浅野川と犀川によって、この地には豊富な水が運ばれてきます。また、肥沃な大地にも恵まれているので、多種多様な作物を育んでいます。なかでも有名なのが加賀野菜です。現在15品目が認定されていますが、その多くが江戸時代に栽培がはじまったとされる、伝統あるものです。

JA全農みのりみのるプロジェクト『AGRIFUTURE』No.37号転載 http://minoriminoru.jp/

The Speciality01

Kaga Renkon / 加賀れんこん

粘りと旨味のある実が特徴
加賀れんこんは、約300年前、加賀藩五代藩主・前田綱紀が参勤交代の時に美濃から苗を持ち帰って植えたのが始まりといわれています。化成肥料を極力使わず、有機肥料を中心とした肥培管理を行うことで、加賀れんこん特有の粘りを損なわないように、栽培に気を配っているそうです。出汁の中に、すりおろした加賀れんこんを入れる「れんこん汁」が生産者、本さんのおすすめです。

The Speciality02

Kaga Futokyuri / 加賀太きゅうり

あんかけがおいしい、煮食用きゅうり
1999年、ある農家が仲買人から煮食用の東北の短太系きゅうりの種子を譲りうけ、それを7人の野菜農家で栽培を始めたのが起源といわれています。果長は22~27㎝、果径は6~7㎝、1果重で1㎏にも育つそうです。果肉が厚いわりに柔らかく、食味、日持ちがよいのも特徴です。生産者の梅川さんがおすすめの食べ方は、適当な大きさに切って鍋に入れ、煮出してしょうゆとだし、片栗粉を入れる「あんかけ煮」です。

The Speciality03

Takenoko / たけのこ

江戸時代から続く春の知らせ
加賀藩の割場足軽付けだった岡本右太夫が、1766年に江戸から2株の「孟宗竹」を持ち帰って、金沢・桜木町の自宅に植えたのが、石川県内における最初の植栽といわれています。その後、昭和の中頃まで植栽地が徐々に増えていき、たけのこ振興策を進めてきたこともあって、この地でたけのこの栽培が盛んになったそうです。春の訪れを告げる伝統野菜として、加賀のたけのこの存在をもっと広げていきたいと生産者の山下さんは語ります。


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