Eat Local ~地産地消~

まわりを海に囲まれ南北に長い日本は、自然環境に恵まれ、日本各地においしいものがたくさん実ります。
そしてそれらは知恵を使って“料理”となり、四季の移ろいとともに味わい、長い月日をかけて日本独自の食文化をつくってきました。
まだまだ、あなたの知らない日本のおいしさがきっとあるはずです。 “地産地消”というその言葉どおり、地域に根差すおいしさは、やはりその地で味わうのが一番。ABCと一緒に、日本のおいしさを再発見する旅に出ませんか?

 Pick Up Area 丹の国

京都府の綾部市、福知山市、舞鶴市からなる地域を「丹の国」と呼び、舞鶴市の日本海沿岸部を除き、まわりを山々に囲まれた盆地がおもな生活地。
昼夜の寒暖差が大きい中山間地特有の気候や、豊かな水源に恵まれた地理的条件が作物にも良い影響を与えてくれます。大量生産ではなく限られた土地で、ひとつひとつを大きく実らせて出荷させるためサイズの大きい野菜が多いのが特徴。また、日本神話に出てくる“食物や穀物を司る豊受大神(トヨウケビメ)”がこの地の山に降り立ったと言い伝えられるのも、実りの多い秘密なのだとか。

JA全農みのりみのるプロジェクト『AGRIFUTURE』No.1号転載 http://minoriminoru.jp/

The Speciality01

Murasaki Zukin / 紫ずきん

ふっくら大きな実は旨味と甘味がぎっしり
「紫ずきん」というそのかわいらしい名前は、豆の薄皮が薄紫色をしていることや豆の形が頭巾のようであることから、そう名づけられたと言われています。約10年前に、最高級の品質を誇る丹波大豆を品種改良して作られたもので、通常の枝豆とは違い実が大きく食べごたえがあるのが特徴です。この実の中にはビタミンCやアミノ酸が豊富に含まれているので、茹でることによって旨味や甘味が増幅し味に深みを出してくれます。そのまま食べてももちろんおいしいのですが、生産者のおすすめはほくほくとした食感を生かした豆ご飯だそう。

The Speciality02

Manganji Amatou / 万願寺甘とう

これぞ京野菜、100年続く伝統の味
大正時代から舞鶴市の万願寺地区を中心に栽培されている、唐辛子の甘味種が「万願寺甘とう」です。京の伝統野菜第一号として1989年に認定を受けている、まさに京野菜のなかの京野菜です。実の大きさは13~23㎝程、肉厚で甘味が強く独特の芳香があります。他の品種と交雑しないように種子や苗はJAが厳しく管理し、100年余り続く伝統の味を大切に守っているようです。素材の味をそのまま感じられるシンプルな調理方法がポピュラーで、地元舞鶴の定番食材として食卓を賑わすこの地に欠かせない食材です。

Local Food

Nikujaga 肉じゃが
肉じゃが発祥の地、舞鶴の「海軍肉じゃが」

“おふくろの味”として親しまれるなど、日本の家庭料理として定着している「肉じゃが」。この発祥の地が舞鶴だと言われて いるのはご存知でしょうか?
舞鶴市のホームページによれば、明治34年に開庁された舞鶴海軍鎮守府の初代司令長官東郷平八郎が、留学先の英国で食べたビーフシチューのおいしさが忘れられず、それを模したものを部下に命じて艦上食として作らせたのが起源だとか。舞鶴の海上自衛隊には、旧海軍経理学校の「海軍厨業管理教科書」に当時のレシピが唯一残されています。そこには、牛肉・こんにゃく・じゃがいも・玉ねぎ・ごま油・砂糖・しょうゆでつくる肉じゃがの作り方が記載されているそうです。
自分の家庭の味とどう違うのか、舞鶴で肉じゃがを味わってみるのも楽しそうですね。


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