Food&Energy ワインから学ぶ「地層処分」Part.3

Food&Energy ワインから学ぶ「地層処分」Part.3 Food&Energy ワインから学ぶ「地層処分」Part.3
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食を彩るワインには
地質が関係していた!?

ワインの味わいを決める要素は、原料である「ぶどう」以外に、そのぶどう造りに関係する「気候」、「土壌・地質」も重要な要素です。その中でも、ぶどうを育む土壌や地質が、ワインの味わいにどのように影響を与えるのか、信州大学理学部で地質学を専門とされている保柳教授にインタビューしてきました!

教授

ワインは地質によって味が変わる!?

生徒

ワインは地質によって味が変わるって本当?

教授

地質はワインにとってすごく大切です。
解説しましょう!

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 おいしいワイン造りには、ワインに適したぶどうを栽培することが欠かせません。同じ品種のぶどうでも、「いつ」・「どこで」育ったのかによってワインの味わいはガラリと変わります。
 ワインをセレクトする際には、ボトルのラベルの製造年や産地を確認します。製造年を参考にするのは、ぶどうを収穫した年の気候がワインの味に影響するからです。
 一方で、産地を参考にするのは、ぶどうの木が根を張る畑の土壌や地形もワインの味に重要な役割を果たしていると言われているからです。
 土壌はその地域に分布する地質(岩石)によって形成されます。一般的には、扇状地の上流域やそこに向かう山の斜面などの地形において形成される、水はけが良く、保水力のある土壌がワイン向けのぶどう栽培に適しているとされています。

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ワンポイント

気候・土壌・地形など、ワイン造りでのぶどう栽培をとりまく様々な環境のことを「テロワール」といいます。
それぞれの要素が作用し合うことで、唯一無二のワインが生まれるのです。

地質のストーリーを知ることでワインの楽しみ方が変わる!?

生徒

地質の違いと言われてもイメージが難しいかも…。
知っておくことのメリットは?

教授

いい質問ですね。
ワインは二度と同じものが造れないからこそ、造られる過程のストーリーを知ることで味わいに深みが増すのが魅力。地質の違いを知ることで、ワインをより楽しむことができます。
解説しましょう!

 大昔、恐竜がいたジュラ紀や白亜紀…ヨーロッパから中東にかけての一帯は海底でした。その影響でできた石灰岩の地質が広がる土地に、ワイン用のぶどう畑(ヴィンヤード)がつくられていることをご存じですか?
 かつてフランスのブルゴーニュ地方などの内陸地域も浅い海に沈んでいたことから、牡蠣化石を含む地層が形成されています。そのシャブリ村の土壌で育ったシャルドネ種のぶどうから造られるのが、有名な「シャブリ」ワイン。牡蠣に含まれる豊富なミネラルを吸収することでスッキリとした味わいになると言われています。「生牡蠣×シャブリ」のペアリングは、この1億年以上前の海との出会いと関係しているかもしれません。

 「テロワール」という言葉があるように、ワイン造りにはさまざまな要素が複雑に作用し合っているため、実はぶどうの木がミネラルを吸収しているかどうか科学的に証明することは難しいのです。
しかし、造り手は長年の経験から地質を重要視してきました。「シャブリ」のように、ぶどうをつくり上げた土地の地質のストーリーに想いを馳せることで、一味違うワインの楽しみ方ができるのではないでしょうか。ワインの生産地に足を運んで、ワイナリーのある場所の地形や気候を感じながらワインを飲んでみるというのもオススメですよ。

(写真左)
フランスボルドー地区サンテミリオンのワイナリーに展示されたワイナリー周辺の地層をつくる岩石と地質の説明。約2500万年前の巻貝などが入った浅い海域の石灰岩。

(写真中央&写真右)
信州にも1500万年前から500万年前ごろまで海が入り込み、この時代に海で堆積した地層が山をつくっています。特に上田市富士山の鴻ノ巣山は、陸地から運ばれてきた小石や砂が積もった砂岩層が見られる珍しい崖地。
周辺の斜面にワイン用のブドウ畑が広がり、この周辺のワイナリーでは砂質や粘土質の土壌ならではの包み込むようなアロマと、穏やかな酸味の調和がとれたワインが味わえる。

ワンポイント

信州エリアにも石灰岩や海で形成された地層があるように、日本には多種多様な地質が分布しており、なかにはヨーロッパに近い環境でぶどうづくりができる場所も。
その土地の地質の特徴が、地形をつくり、畑の土壌をつくります。ワインを飲む際には、ぶどうが育った地質や土壌について考えてみると◎!
きっとワインの楽しみ方が広がるはず。

参加者の声

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ワインから学ぶ
『地層処分』

今回のインタビューを通じて、地質とワインの関係性を学びました。
過去にABCの先生とお話した『地層処分』も、私たちの生活に影響がでない安定した地下深くの岩盤に処分するために、その土地の地質環境の特徴を様々な方法で調査しながら選定していくと学びました。
地質が私たちの日常生活に関係することが多々あると知り、学びを深めたいと思いました。

生徒
ワンポイント

その土地の地質環境の特徴を把握するための知見や技術は、地質学に関連する分野に蓄積されています。
日本には多種多様な地質が分布していますが、そのような知見や技術により地質環境を丹念に分析して正しく理解すれば、地層処分にとって必要な「数万年以上の⾧期にわたり安定して物質を閉じ込める能力」をもつ地質環境が、どこにどのように分布しているのかを把握できます。

「地層処分」について、
おさらい!

  • 原子力発電所で使い終えた燃料(使用済燃料)の中には、まだ使える燃料がたくさん残っているので、日本ではリサイクルして再び燃料として利用することにしています。
  • リサイクルする過程では、放射能レベルの高い廃棄物(高レベル放射性廃棄物)が残ります。
  • 地層処分とは、この廃棄物を私たちの生活環境に影響を与えないように、地表から300m以上深い安定した岩盤に埋設する処分方法です。
説明イラスト
詳細はPart.1で紹介しています ≫

日本ワインに合うレシピ

特別な日に日本ワインを

ワインは、含まれる鉄分が少ないほうが
一緒に食べる魚料理などの生臭みが抑えられるようです。
一般的に鉄分が少ないと言われる日本ワインは、
刺身や寿司などの和食特有の生魚を食べやすくしてくれます。

地層の海鮮サラダちらし
メニュー画像
メニュー説明文

材料 
2人分

雑穀ごはん …100g

【a】

レモンの果汁 …小さじ1
砂糖 …小さじ1
塩 …小さじ1/8

ほたて貝柱(刺身用) …4個
ラディッシュ …4個
鮪(たたき) …60g
スモークサーモン …40g

きゅうり …40g(約1/2本)
水 …40cc
塩 …小さじ1/8

【b】

アボカド …1/4個
マヨネーズ …小さじ1
練りわさび …小さじ1/8


とびこ(飛子) …適量

ディル …適量
セルフィーユ …適量

【c】

しょうゆ …小さじ1
エキストラバージンオリーブオイル
…小さじ1/2

下準備

  1. aはよく混ぜ合わせておく(寿司酢)。
  2. ・ ほたて貝柱は固い部分を除いて3~4等分の厚さに切り、水気を除いておく。
  3. ・ ラディッシュは茎を除き、厚さ2mmの輪切り。
  4. ・ きゅうりは厚さ2mmの輪切りにし、塩水につけておき(約10分)、水気をしっかりとしぼっておく。
  5. ・ アボカドは皮・種を除いて5mm角に切る。ボウルにbを入れ、軽くつぶしながら混ぜておく(アボカドタルタル)。
  6. ・ cは混ぜ合わせておく(しょうゆだれ)。

作り方

  1. 1: ボウルに温かい雑穀ごはんを入れ、寿司酢をまわしかけ、切り混ぜる(寿司飯)。
  2. 2: 材料を半量に分け、1人分ずつ盛り付ける。器にセルクルをのせ、寿司飯の半量を入れ、敷き詰める。
  3. 3: きゅうりを敷き詰め、上に鮪のたたきを敷き詰める。
  4. 4: ほたて貝柱をセルクルに沿って1周並べ、残りはバランスよくのせる。上にラディッシュをセルクルに沿って1周並べてのせる。
  5. 5: 残りの寿司飯を敷き詰め、アボカドタルタルをのせて敷き詰める。
  6. 6: スモークサーモンを広げて敷き詰め、ラップをかけて軽く押し、形をととのえる。
  7. 7: セルクルをはずしてとびこをちらし、ディル・セルフィーユを飾ってしょうゆだれをまわしかける。