新しい生活様式でのヘルスケア
~免疫機能と栄養素編~
朝晩冷え込む日が増えてきました。
新型コロナウイルス予防に加えてインフルエンザ予防も必要な季節。
今まで以上に健康を維持することが重要になります。
病原体から身を守るためには手洗い・うがい・マスクが欠かせませんが、栄養によって身体の中から身を守ることも大切です。
最近、眼の疲れを訴える人が増えています。
免疫機能を維持し、感染のリスク・期間・重症度を低減するためには複数の栄養素が調和して働く必要があります。そのため1つの栄養素を摂るだけでは免疫機能の最適化はできません。ビタミン・ミネラル・オメガ3脂肪酸の摂取を心がけるようにしましょう。
その中でも積極的に摂取したいのがビタミンCとビタミンDです。
ビタミンC
体内に貯蔵されているビタミンCの量は、ウイルスに感染すると減少することが知られています。
また1日ビタミンCを200㎎以上摂取していると、風邪症状の持続期間が短縮するという報告もあります。普段からビタミンCを十分に摂取しておくようにしましょう。
Hemilä and Chalker, 2013
ビタミンCが多く含まれている食材(100gあたり)
- 赤ピーマン:170mg
- 黄ピーマン:150mg
- ブロッコリー:120mg
- キウイフルーツ(黄):140mg
- 菜の花:110mg
- キウイフルーツ(緑):69mg
- イチゴ:62mg
- ネーブル:60mg
ビタミンD
ビタミンDは正常な免疫機能に関係していることが知られています。その栄養状態は、通常、血中ビタミンD濃度で測定するのですが、その濃度が高いほど上気道感染症(いわゆる風邪)の有病率が低いことが報告されています。(図を参照)。
また、最近では、血中ビタミンD濃度がたかいほど新型コロナウイルス感染症の重症度率が低かったという臨床データも報告されています。
血中ビタミンD濃度と上気道感染症との関係
Ginde et al., 2009 (NHANES data)
ビタミンDの豆知識:代謝型ビタミンDって?
ビタミンDが豊富なしいたけですが、実は日光を浴びてビタミンDを生成しています。そのため、室内栽培の生しいたけや熱風乾燥された干しシイタケには、出荷時にはあまり含まれていません。そこで、食べる前に1時間ほど天日干しすると、ビタミンDがなんと数倍にも増えるので、皆さんも是非、試してみてください。ちなみにかさを上向きにしたほうがよく増えます。
そして人も、日光を浴びることでビタミンDを生成しています。そう言うと、食事では意識しなくていいのかな?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。冬は日が短いですし、夏は日焼け止めをしている方も多いと思います。実際に、日本人(成人)の80%以上がビタミンD不足または欠乏状態であると言われています。特に、スキンケアと両立するためには、食事での摂取が欠かせないのです。
このビタミンDには、実はいくつかの種類があります。キノコ類に含まれるビタミンD 2 と、一部の魚からも摂れるビタミンD 3 が有名なのですが、近年、代謝型ビタミンDというものが注目されています。ビタミンD 3 が肝臓で代謝された25-ヒドロキシコレカルシフェロールという成分で、ラム肉や内臓肉にも少量含まれています。ビタミンD 3 に比べ、約3倍の効率で血中ビタミンDの濃度を上昇させると言われているため、イギリスやデンマークなどでは食品中の栄養素含有量を示す食品成分表にも含まれています。
ビタミンDが多く含まれている食材(100gあたり)
- きくらげ(乾燥):85.4μg
- しらす干し(半乾燥):61μg
- いわし(丸干):50μg
- さけ(紅鮭):33μg
- スモークサーモン:28μg
- さんま(生):19μg
- しいたけ(乾燥):12.7μg
- まいたけ:4.9μg
※血中ビタミンD濃度を充足状態(75nmol/L以上)に保つためには、1日あたり20μg以上のビタミンDが必要とされています
バランスのとれた食事をしているつもりでも、ビタミン・ミネラルは不足しがちな栄養素です。ビタミンCも成人の1日の摂取量が81㎎と推奨量(100mg)を下回る人の割合が高いことがわかっています。これから冬本番、日光も少なくなりますし、まだまだ巣ごもりが続きますので、免疫機能の維持のためにビタミンC・ビタミンD摂取を心がけるようにしましょう。
その際に注意したいのが、数日だけ意識するのではなく長期的な習慣にすること。例えば、血中ビタミンD濃度を最適化するために、通常数か月の適切なビタミンDの摂取が必要であると言われています。
ローマは一日にして成らず。料理の腕も健康も、継続することが大事なんですね。
レシピ
たっぷり野菜と鮭の南蛮漬け
オイルサーディンとブロッコリーの
セイボリータルト
しらすトースト
- ※本記事に使用している情報やデータは、ビタミンのグローバルリーディングサプライヤーであるDSM株式会社よりご提供いただいています。
DSMは人々の栄養・健康・サステナブルな暮らしに貢献する事業を展開しているグローバル・サイエンス企業です。 People(人)、Planet(地球)、Profit(利益)の持続可能性をめざし、自社の強みを活かしつつ、 SDGsの5つのゴールに沿った事業戦略のもと、Nutrition & Health (健康的な生活)、Climate& Energy (気候とエネルギー)、 Resources & Circularity (資源と循環型社会)を事業のコア・ドメインとして事業展開しています。 プロセス改善や二酸化炭素排出削減など自社の改善、また、製品とソリューションを通じて、 社会のサステナビリティに貢献し、市場変革に向けた提唱や啓蒙活動などに取り組んでいます。